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キャリア

エンジニアが陥る「完璧な判断待ち」——行動しないことが最大のリスクである理由

「もっと情報が揃ったら」「失敗したくないから」——エンジニアが陥りがちな先延ばし思考の正体を解説。行動しないことが最大のリスクである理由と、ストア哲学を活かした実践的な思考法を紹介します。

エンジニアが陥る「完璧な判断待ち」——行動しないことが最大のリスクである理由

はじめに

「もう少し情報が揃ったら動こう」「失敗したくないから、もっと考えてから決める」

こう思って、気づけば何ヶ月も経っていた——そんな経験はないでしょうか。

私にはあります。
副業を始めようと思って調べ続けて動かなかった時期、個人開発のアイデアを温め続けてコードを書かなかった時期。
慎重に考えているつもりで、実際には何もしていませんでした。

SOFT SKILLSを読んで、この「行動しない」という選択が実は最大のリスクだと気づきました。

「行動しない」は選択肢ではなく、リスクそのもの

多くのエンジニアは「間違った行動を取るリスク」を警戒します。
でも、見落としていることがあります。

最適ではない答えやまったく間違った答えを選ぶことではなく、何もしないことにより、人生に大きな影響を及ぼすことがある。

行動しないことは「リスクゼロの選択」ではありません。
それ自体がリスクです。

  • 副業を始めなかった時間は戻らない
  • 個人開発を後回しにした間、スキルは積み上がらない
  • 転職を迷い続けた1年間、市場価値は変わらない

行動を遅らせれば遅らせるほど、すべての間違った道をたどり、正しい道を見つけるまでの時間も長くなる。

正しい行動を見つけるには間違った道を実際に歩いて確認するしかないことも多い。
それを頭の中だけで解決しようとするのが「完璧な判断待ち」の罠です。

行動できない本当の理由:それは恐怖だ

なぜ人は行動できないのか。
SOFT SKILLSはシンプルに答えています。

行動しなければならないことがわかっているのに、行動を拒否してしまう最大の理由はおそらく恐怖である。

失敗する恐怖。判断を間違える恐怖。周囲に笑われる恐怖。

エンジニアは論理的に考える習慣があるぶん、「リスクを正確に計算してから動く」という思考に陥りやすい。
でも、現実のキャリアや個人開発では必要な情報がすべて揃うことはほぼありません。

失敗は敗北ではない——一時的なものだ

「失敗したくないから動けない」という思考の背景には失敗と敗北を混同していることがあります。

失敗は敗北と同じではない。
敗北は永久に敗北だが、失敗は一時的なものだ。
失敗は降りかかってくるものであり、自分では完全にコントロールできない。
敗北は選んだ結果であり、失敗を永久に受け入れることである。

失敗したまま止まることを選んで初めて、敗北になる。
失敗自体は正しい道を見つけるためのプロセスです。
失敗を「自分の価値の証明」として捉えるのをやめて、「正しい道を見つけるためのプロセス」として捉え直すことが、行動力の土台になります。

ストア哲学から学ぶ:コントロールできることに集中する

SOFT SKILLSの後半では、ストア哲学の考え方が紹介されています。

ストア哲学の核心は生きている時間の価値を最大限に引き上げることだ。
そのために、自分ではどうしようもないことに関わって人生の時間を無駄にしない、自分でコントロールできることに自分の力を集中させるのである。

「行動の結果がどうなるか」はコントロールできません。
でも「行動するかどうか」はコントロールできます。

被害を受けたと感じるな。
そうすれば、被害を受けていないことになる。―マルクス・アウレリウス

失敗を「被害」として解釈するかどうかは自分が選べます。
行動しない理由として「失敗が怨」「結果が見えない」を挙げることは、コントロールできないことに縛られている状態です。
コントロールできる「動くかどうか」に集中することで、恐怖の支配力は弱まります。

行動できないときのチェックリスト

SOFT SKILLSには、行動を取るための具体的なチェックリストが示されています。
困ったときに使えます。

  • 行動できなくなっている原因は具体的に何か
  • 選択肢は何と何と何か
  • 間違った選択をしたときに起きる最悪のことは何か
  • 間違った選択をしたときに、戻って別の選択ができるか。そのためのコストは高いか
  • 選択肢の間に大きな違いはあるか。今動けば、ベストとは言えない選択でも乗り越えられるか
  • 目の前の問題は進むうちに自然に答えがわかるものか。何らかの行動を取れば、正しい行動が何かがわかるまで軌道修正できるか
  • 何も行動を取らなければどうなるか。代償は時間か、チャンスか、お金か

多くの場合、このリストを埋めていくと「最悪のケースはそれほど深刻ではない」「行動しないことの代償の方が大きい」という結論に至ります。

まとめ

思考のパターン

実態

「情報が揃ったら動く」

情報は揃わない。行動しない時間がコスト

「失敗したくない」

失敗は一時的。行動しないことが本当の損失

「間違えたくない」

間違いは動いてわかる。止まっても正解は見えない

「もう少し考えてから」

考えることと動くことは両立できる

行動しないことは「安全な選択」ではありません。
それは「チャンスを失う選択」であり「時間を無駄にする選択」です。

何でもしないよりはした方がましなことが多い。
特に、長い間不幸な状態から離れられなくなっているときはそうだ。

間違えてもいい。動くことが先です。間違いを発見するのも、正しい道を見つけるのも、動いた先にしかありません。