はじめに
「今日から習慣化するぞ」と意気込んだのに、数日で元に戻ってしまった経験はないでしょうか。個人開発を毎日続ける、技術記事を書く、本を読む。どれも「継続すれば力になる」とわかっているのに、なぜか続きません。
私も同じでした。しかし振り返ってみると、続かなかった原因は意志力の弱さではなく、「行動を始めるまでのハードルが高かったこと」にあったと感じています。この記事では、意志力に頼らずに習慣化するための考え方と、実際に自分の生活で機能した仕組みについて書きます。
「意志力より仕組み」という考え方
なぜ意志力に頼ると続かないのか
「毎日コードを書く」「毎朝早起きする」といった目標を立てるとき、私たちはつい「頑張って続ける」ことを前提にしてしまいます。しかし、意志力は日々の体調や忙しさによって変動するものです。仕事で疲れている日、予定外の用事が入った日には、意志力に頼った行動はあっさり崩れます。
『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』という本では、結果そのものを変えようとするより、結果を生み出す仕組みやプロセスを変える方が改善が長続きする、という考え方が紹介されています。これは「今日は頑張れるか」という不安定な要素に頼るのではなく、「頑張らなくても行動が起きる状態」を先につくっておく、という発想です。
行動のハードルを下げるという発想
同じ本には、習慣が定着しないのは意志力の不足ではなく、いつ・どこで行動するかが曖昧なことが原因であることが多い、という指摘もあります。「隙間時間に本を読もう」「時間があれば個人開発を進めよう」のように行動のタイミングを曖昧にしたままだと、判断の手間そのものが行動を始める前のハードルになってしまいます。
逆にいえば、いつ・どこでその行動をするかをあらかじめ決めてしまえば、行動を始めるかどうかを毎回考える必要がなくなります。これが「意志力より仕組み」という考え方の核心だと理解しています。
自分の経験との接続
読書が続かなかった理由と、続いた理由
私は以前から「本を読む習慣をつけたい」と思っていましたが、なかなか実践できませんでした。仕事や他の用事を優先してしまい、読書のための時間を確保すること自体が後回しになっていたためです。
転機になったのは、読書のための時間を新たに作ろうとするのをやめたことでした。朝の通勤時間はスマホのKindleアプリで本を開くことにしたところ、無理なく読書が続くようになりました。通勤時間はもともと手持ち無沙汰になりがちな時間で、そこに読書を乗せただけです。読書のための特別な時間を確保したわけではなく、すでにある時間の使い方を少し変えただけでした。
早起きと個人開発・ブログ運営の接続
もう一つの例が早起きです。私は早起きを習慣化し、起床してから朝食までの時間を個人開発・ブログ運営・学習にあてています。この時間帯は仕事の連絡も来ず、家族が起きてくるまでの間、自分の作業に集中できる時間になっています。
早起きを続けるために、夜は自然と早く寝るようになりました。これも「早起きするぞ」と意志力で頑張っているというより、朝の時間を確保したいという目的から逆算して、夜の行動が変わったという感覚に近いです。いつ・どこで作業するかが「起床後〜朝食まで」とはっきり決まっているため、その日ごとに「今日はやるかどうか」を判断する必要がありません。
エンジニアへの実践
個人開発・ブログ運営が続かない人への応用
「毎日コードを書く」「週に1本記事を書く」といった目標は、それ自体は間違っていません。しかし目標を立てただけでは、いつ・どこでその行動を取るかが曖昧なままです。行動を始める前に「今から時間を作るか」を判断する必要がある状態では、忙しい日や疲れている日に真っ先に後回しにされてしまいます。
もし個人開発やブログ運営が続かないと感じているなら、「毎日やる」という抽象的な目標ではなく、自分の生活の中にすでにある時間や流れのどこに行動を乗せられるかを考えてみると良いかもしれません。通勤時間、昼休み、起床直後など、すでに毎日発生している時間帯に作業を紐づけられれば、新たに時間を作り出す必要がなくなります。
仕組み化だけでは解決しない場面への留保
ここまで仕組み化の効果について書いてきましたが、今のところ、この考え方が当てはまらなかった経験はありません。ただしこれは、まだ自分が試した範囲がそれほど広くないだけかもしれず、仕組み化だけではどうにもならない場面が今後出てくる可能性はあると考えています。すべての行動が仕組み化だけで解決すると断定するつもりはなく、あくまで今のところの実感として書いています。
まとめ
習慣化は、意志力の強さで決まるものではなく、行動を始めるまでの抵抗をどれだけ小さくできるかで決まるという考え方を、自分の経験を通じて実感しています。読書も早起きも、頑張って続けようとしたときはうまくいかず、すでにある時間や流れに行動を乗せたときに自然と続きました。
もし今取り組みたい習慣があるなら、「今ある時間・流れのどこに行動を乗せられるか」を一度考えてみてはいかがでしょうか。