はじめに
個人開発やブログ運営を続けているのに、収益化にはまだ届いていない。そんな状態に焦りを感じたことはないでしょうか。
私自身も、個人開発とブログ運営をまだ続けています。収益はまだ発生していません。それでも今は、以前ほど焦りを感じていません。なぜなら、時間の投資に対する考え方を一度見直したからです。この記事では、その考え方の転換について書きます。
「1ヶ月で稼げた」に感じた違和感
ブログを始めた頃、ネット広告で「開始から1ヶ月で利益が出た」という文言をよく見かけました。最初は、自分もそれくらいのスピードで結果が出るのではないかと期待していました。
しかし実際にそうした情報の中身を調べてみると、煽り表現だったり、自分の方向性とは違う商材を扱っていたりするものがほとんどでした。個人開発についても同じような違和感があります。AIの活用が広がる中で「AIで簡単に収益化できた」という投稿を見かけますが、正直なところ疑わしいと感じています。
もちろん、実際に短期間で成果を出している人もいるはずです。それを否定するつもりはありません。ただ、そうした情報を鵜呑みにして自分の歩みを比較すると、実態以上に焦りが増幅されてしまいます。「見積もりのズレ」が焦りの正体だと、今は考えています。
時給的発想と資産的発想の違い
なぜ短期間の成功事例に心を乱されやすいのか。自分なりに考えた結果、原因は「時給的発想」にあるという結論に至りました。
会社員として働くとき、私たちは基本的に時間を対価に変えています。働いた時間に対して給料が支払われる、時給的な発想です。この発想のままで個人開発やブログ運営を捉えると、「今月これだけ時間を使ったのに、収益がゼロだった」という評価になってしまいます。時給的発想では、成果が発生するまでの時間はすべて「損失」に見えてしまうのです。
そこで私は、個人開発やブログ運営については、時間ではなく資産に対して価値が発生するという捉え方に切り替えました。資産的発想では、今取り組んでいるコードや記事そのものが積み上がっていく資産です。収益は、その資産に対して後からついてくるものだと考えます。この視点に立つと、「まだ収益が発生していない期間」の意味が変わってきます。それは損失の期間ではなく、資産を積み上げている期間になるからです。
成果は指数関数的に現れる
この資産的発想を、自分の中では一つのグラフのイメージで捉えています。指数関数のグラフです。
ある時点まで、y軸(成果)はゼロ以下の状態が続きます。作業を積み重ねても、目に見える成果はなかなか出てきません。しかし、ある時点を境に、y軸が一気にプラスへ転じる瞬間が訪れる、というイメージです。
この考え方は、『ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』という本で学んだ視点とも重なります。同書では、長期的な成果は過程で徐々に増えていくのではなく、ある時点で一気に現れることが多いと述べられています。そして、結果が出ない期間があっても、それ自体は努力が無駄である証拠にはならないとも指摘されています。
さらに、結果が出るまでの期間は、変化が小さすぎて見えないだけで、水面下では進行していることがあるという考え方も紹介されています。これは、個人開発やブログ運営を続ける自分にとって、大きな支えになっている視点です。「今は結果が見えないから意味がない」のではなく、「今はまだグラフのマイナス圏にいるだけ」と捉え直せるからです。
収益化を目的化しない。検証プロセスを楽しむ
もう一つ、自分の中で意識していることがあります。それは、収益化そのものを目的化しないということです。
個人開発は、そもそも収益化が目的で始めたものではありません。作りたいものがあって作っている、いわば趣味です。収益化できたらラッキーというくらいの距離感で取り組んでいます。
ブログ運営についても同様です。収益化そのものより、収益化できる仕組みを検証していく過程が楽しくて続けています。どんな見出しが読まれるか、どんな内容がアクセスにつながるか。そうした検証を重ねること自体が、自分にとっての報酬になっています。
『ロングゲーム』では、期待する結果が出るまでに必要な時間を正確に見積もっていないと、早すぎるタイミングで見切りをつけてしまうという指摘もあります。収益化を唯一の目的にしてしまうと、結果が出ない期間に「もうやめよう」という判断をしやすくなります。逆に、検証プロセス自体を楽しめていれば、結果が出ない期間も含めて続ける理由が保たれます。早すぎる見切りを避けるためには、目的そのものを収益化だけに固定しないことが有効だと感じています。
まとめ
個人開発やブログ運営で結果が出ていないとき、焦りの正体は「時給的発想」であることが多いと感じています。時間を対価に変える発想のままだと、収益がゼロの期間はすべて損失に見えてしまいます。
発想 | 捉え方 | 結果が出ない期間の意味 |
|---|---|---|
時給的発想 | 時間に対して対価が発生する | 損失の期間 |
資産的発想 | 資産に対して価値が発生する | 資産を積み上げている期間 |
時間ではなく資産に対して価値が発生するという発想に切り替えると、結果が出ない期間の意味も変わってきます。それは、指数関数のグラフでいえば、まだy軸がゼロ以下にある期間にすぎません。そして、収益化そのものを目的化せず、検証プロセスを楽しむ距離感を保てれば、早すぎる見切りを避けやすくなります。
「1ヶ月で稼げた」という情報に焦りを感じているなら、一度立ち止まって、自分がどちらの発想で時間を捉えているかを確認してみてはいかがでしょうか。